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書評:誰がアパレルを殺すのか ファッション業界の人でなくとも刺激的な一冊

2018年1月9日 ボットーネCEOのオーダースーツの着こなしブログ | Other

オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。
今日はアパレル業界の裏を暴き、過去と今、そして未来を描くこの一冊をご紹介したい。

 

私もオーダースーツの会社をやっていて、大きい枠でみるとアパレル業界にいることになります。この業界に入って10年以上が経ちましたが、随分と様変わりしました。

例えば、お客様がインスタで画像を見つけ、そこから作りたいスーツのゴールを話し合うことも10年前にはなかった光景です。

周りをみても、百貨店は売れ行きが悪いとか、メルカリが人気だとか、アパレル業界の現状はどうで、これからどうなっていくのか?とても興味深い一冊をご紹介したいと思います。

うちの会社に、新たなアルバイトの仲間を迎える歓迎会を行ったときに、24歳の彼はいろいろ話してくれた。
聞いていて、随分変わったのだな、と思った一つが漫画だった。

39歳の私は、小学校の帰り道にコロコロコミックを買って読みながら帰っていた。
中学になるとジャンプになった、買って読むのが毎週の楽しみだったのだ。
でも今はネットで読むのがスタンダードだろう。

ところが、発売になるより前に、読者が予想する次回の展開漫画で溢れ、そちらの方が楽しいのだそうだ。

漫画一つとっても時代は移り変わっているけれど、アパレルにIT企業が参入し、時代はめまぐるしく変わっている。誰がアパレルを殺すのか?

アパレルで何が起こっているのだろう?

 

 モバイルの普及で漫画ですら楽しみ方が変わっている。アパレルは?

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第1章 崩れ去る”内輪の論理”

第1章は、バブル期にとにかく売れた服が、どんどん売れなくなっていく様子が描かれている。

 
アパレル業界の国内の市場規模は、1991年に15.3兆円だった。
ところが、現在は10兆円を切っているという。

海外の方が日本で購入する爆買いも込みで10兆円を切っているの。
つまり、どれだけ落ち込んだのかわかる。

どうして落ち込んだのだろう?
バブル期、景気は右肩上がりの時代。
私は経験していないが、赤坂から六本木に行くだけでタクシーに1万円を払わなければ乗せてもらえなかった、と聞いたことがある。お札をヒラヒラさせてタクシーを捕まえるのだ。

アパレル業界が手を染めた大量生産、大量出品というビジネスモデルは、業界のあらゆるプレーヤーを不振に追い込んだ。
誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一/染原睦美 日経BP社 より引用
 

アパレル業界は集団自殺をしている、とある。
まさにそうだと思う、どこに行っても同じような服しかない。
郊外のアウトレットに行くと特に思う。
ここにしかない、というような既製服に出会うことはあるだろうか?

 バブル期、服は売れに売れた

.

第2章 捨て去れぬ栄光、迫る崩壊

第2章では、どうして売れなくなったのか?に迫っている。
さらに、この本でも描かれているが、服をたくさん作る>>百貨店にどんどん置く>>売れ残ったら引き取る という、今も続いている業界の仕組みまで説明されている。

バブル期、イッセイミヤケやコムデギャルソンという、日本人デザイナーがパリコレで活躍するようになる。
原宿はマンションメーカーで溢れていた。マンションメーカーとはマンションの1室に、デザイナー中心の少人数の会社があって、洋服を生み出していくのだ。

VANジャケットはご存知だろうか?
一斉を風靡したといわれるVANジャケット、作れば完売、高価な服は飛ぶように売れた。

バブルが弾けて、服は安く作る方向になった。
中国や東南アジアへ生産拠点をシフトしたのだ。
フリースでおなじみ、ユニクロがブームになって、ファストファッションが当たり前になっていく。

コストばかり意識して、面白い服を作ろうという企業が少なくなってしまったのだ。

ファーストリテイリング会長兼社長
柳生正(やないただし)氏

もう、”散弾銃商法”は通用しない

アパレル不振の原因を「ムダに商品を作りすぎた」と看破する。米グーグルや米アマゾン・ドット・コムを将来のライバルと見るのは「服は情報」と定義するからだ。

柳生正氏へのインタビュー
誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一/染原睦美 日経BP社 より引用

作り手や売り手より、消費者の方が数十段進んでしまった、と語られる柳生氏。
ブランドだから売れる、という時代ではないのは間違いないと思う。

私も10年以上オーダーメイドの仕事をしているが、10年前はグッチのようなのがオーダーで欲しい。というように、名指しでブランド名が出てくることが多かった。

最近は、特に若い層の方からあのブランドのようなのが・・・と言われることがあまりない。
そもそも仕立服は、王様の要望を汲んで仕立てるものだった。
ヴィトンも、王朝に納品していたことが買われて、広がっていったわけだ。

つまりブランド=信用なのだ。

だけど、いつしかそのブランド自身が服を定義して、顧客のために作るのではなくて、このブランドが提案する服はこれだからみなさん着てください!に変わっていったのだ。
それがまた元に戻りつつあるのではないだろうか。
 

 ファストファッションが当たり前になった

.

第3章 消費者はもう騙されない
 

第3章は、Uber(ウーバー)やAribnb(エアビーアンドビー)という、新しい企業が登場している時流に触れて、アパレルでも同じようなことが起きていることが説明されている。

ウーバーはタクシーをスマートフォンで呼んで決済までできるサービスで、イギリスではストライキまで起きた。エアビーは自分の家を1泊から誰かに貸せるサービスで、世界的にヒットしている。

アパレル業界も、IT化の流れがある。
エバーレーンがそうだ。
ネットで見たスプリングコートを試着したいな。とお客が試着室に入る。
でも店内に在庫なし。
購入したら、ニューヨーク市内から2時間くらいで自宅に届くのだ。それで安いのだから、この店からブランドの袋を持って帰る人はいない。

エムエムラフルールやグレイツも注目すべきサービスだ。
過剰なコストを抑えて、安く提供するのは、ファッションショーをしない、セールもしない、という新しいスタイルの企業が誕生している。

年間760億円のZOZOTOWN(ゾゾタウン)、WEAR(ウエア)からも目が話せない。

そんななか、大量生産ではなく、カスタマイズの流れになっている、と語られている。
ハンドメイドの市場も広がっていて、自分が作ったアクセサリーをサイトで登録して、消費者が買うアプリも人気だ。

 お店ではなく、ネットで購入する流れは世界的に巻き起こっている

本書の後半に登場するのだが、私はメルカリの存在は非常に大きいと思う。
 メルカリは個人がスマートフォンなどで販売したい物の写真を撮り、価格をつけて売る、というシンプルな仕組み。
このサービスが生まれる前はヤフーオークションがメインだったけれど、メルカリにはオークションはない。
逆に、《値引き》を交渉できて、買いたい値段と売りたい値段がお互い成立したら取引が成立する。
 
このサービスの衣料の売買はとても多い。
レディースが多いけれど、メンズも少なくない。
一番驚いたのが、オーダースーツも販売していることだった。
体型に合わせてオーダーしたはずなのに、それを売るとは、買い手がいるのだろうか?と興味深かったのだけど、追ってみていたら1週間後には購入されていた。
 
自動車の新車を買う際に、3年で中古で売ったとすると・・・
と計算することがあるけれど、洋服もその感覚になっているのではないだろうか。
 
新しい服を1万円で買って、5000円で売れば5000円で着たことになる。
5000円で着たユーザーは2500円で着れば、2500円で着たことになる。
 
こうして、1着の1万円の洋服を、例えば3人でシェアしているのが今の洋服を買うときの考え方だ、とメルカリ・小泉社長のコラムを読んだが、シェアリングエコノミーなのだ。
 
現にうちの妻も、ストッケというベビーカーをメルカリで売って、その資金で小ぶりなベビーカー、マクレーンを購入した。
そのストッケを買った人は、また誰かに売るのだから、店舗が売れないわけである。
 
 洋服にも、シェアリングエコノミーの流れ

.

第4章 僕らは未来を諦めない

第4章では、これらの時流をもとに、暗い未来ではなく、アパレル業界の企業や人々が見出す新しい道について触れられている。

旧式の力織機にこだわって、1本2万円を超える桃太郎ジーンズの勇気付けられる話も目が話せない。

 
ところで本書の中でも登場する、ストライプのめちゃカリ。
洋服が月5800円で借り放題というサービスで、このサービスを運営している澤田さんとは、当時澤田さんが手がけられていたパーソナルスタイリングのお仕事でご一緒したことがある。
このサービスでは1カ月、色々な服を借りられる。
自分では選ばないであろう服が意外と似合うケースもあるだろうし、2カ月借りると自分のものとなる。
返却された服はゾゾタウンなどで販売されるというから、一点の無駄もないシェアサービスだ。
 
今では、ネクタイのレンタルサービスも誕生している。
このようにアパレルもシェアリングエコノミーの流れから大きく変わってきている。
 
 洋服のレンタルサービスがヒット

.

 
まとめ

服が、随分と面白くなくなった。
こう話すのは、アパレル業界で素材博士と称される大西基之先生だ。
私たちは素材を学ぶ講義を開催していて、大西基之先生に講師をお願いしているのだが、度々登場する言葉がそれだ。

特に、10年以上前から好きで買っていた服のブランドがあったとして、ファンであるからこそ質が落ちた場合に気づく。お店に並んでいる商品を見ても、以前は個性があったけど、今は同じようなのが並んでいる、という意見も聞く。

ヒットしそうな商品を作って、金太郎飴のようにコピーして郊外のショッピングモールで売られていても、これは素敵だ!と心踊るだろうか?
悲しいが、それならWEARで他人がしているコーディネートを参考にして、ZOZOで購入すれば良いし、ある程度着たらメルカリで売れば良いと考えるようになるのは当然ではないだろうか。

誰がアパレルを殺すのか。
業界の中にいる人にはぜひ読んでみて欲しい一冊である。

《会社が変わる!》サンキューカードを導入したら社内の空気が変わった

2017年9月24日 オーダースーツBOTTONE クルーの本日の気づき | 小さなアパレル会社 経営者のヒントと気づき

サンキューカード

大手でも導入している、サンキューカード。
クルーが増えてきたので、昨日からうちの会社でも復活させた。
すると、なんだか空気が変わった。
〔私もいただいた〕

サンキューカード 事例

まず、私自身、みなの当たり前のことに感謝するようになった。
最初はサンキューカードは1日1枚は強制で実施する。
強制にしないと習慣化しないからだ。

もし仮に忘れると、100円を募金することになる。

こうして強制となったら、どうなるか。
まず、だれかの何かにありがとうと書こう、と感謝することを探し始める。
そうして、自筆で感謝を伝える。

メールやチャットではコピペできる。
自筆はそうできないし、自然と心がこもるもの。

ボットーネ

「フィッティングの時にうまくサポートしてくれてありがとう」
「あの時メモをとってくれ、助かったよ、ありがとう」
「後輩に遅くまで残って仕事をレクチャーしてくれ、ありがとう」

今まで当たりまえのように行われていたことも、言葉にすると感謝の気持ちがわいてくる。
何よりも貰って嬉しい。

1日1枚強制、とスタートされたサンキューカードだったが、
なんと開始2日目でどっさりと溜まった。

私も数を考えずに書いてみると、かれこれ10枚以上発行していた。

オーダーサロン ボットーネ

びっしりメモをとり、私がいないところでも先輩から真剣に学ぶ、前向きに勉強する舞台美術上がりのアルバイトクルーKも入社して、みな妥協なく遠慮なくクライアントのために、と意見している。
そして社内ドレスコードも整備されつつある。

【ノーネクタイ】はもちろん禁止なのだが、これまでノーネクタイだった人はいない。
しかしサロンでは、【くるぶしソックス】で仕事をするのはNGとなっている(外を歩くのはOKだけど)
ローファーにジャケットを合わせる場合でも、ロングソックスが美しいなと思う時がある。

良い文化は積極的にとりいれようと思った。

スーツ 着替える

ということで、業種問わずサンキューカードを取り入れてありがとうを伝えてみようか。

さて、明日は何着よう?

まもなく表参道サロン移転6周年 ボットーネ全員で必ず行っていること

2017年6月11日 ボットーネCEOのオーダースーツの着こなしブログ | Other

赤いネクタイ コーディネート

今日は世間は日曜だけど、うちはちょうど週の真ん中。
気合いを入れるべくフィオリオの赤いネクタイをまいてみる。

赤いネクタイ コーディネート
リネンのシャツが良い季節。

いよいよ今年も折り返し地点ともいうべき6月、
だけどまもなく来る6月22日といえば、忘れられない日である。
それは2011年、東日本大震災の後、計画停電の続く東京、私たちは今の表参道サロンに移転したのだった。

考えてみたらなかなか無謀だ。
百貨店も営業時間自体短くして電力消費量を抑えていて、世間は買い控えムード。
スーツを仕立てよう、と考えていた方も自粛ムードで、このままではうちの会社がなくなってしまうのでは・・・と思うような月が続いたのが2011年。

だけど、むしろそんな今しかないのでは?と、思い切って移転した6月22日だった。
いやーよく続けてこられてものだ。。。

クライアントの方々、一緒に働くクルーたち、お取引先の方々、アドバイスを下さる先生、素材、服飾についての学びを下さる先輩方、本当に皆様のお陰としかいいようがない。

ボットーネ

そういえばその後も本当に色々なことあったなと思う。
例えば、お恥ずかしながら以下のようなこともあった。

・右腕だと思っていたクルーに横領された事件
・海外出店して、最初は良かったけれど維持できなかった事件

などなど、もともと親の代から引き継いだテーラーではなくて、0から会社自体を作ったので、よく経営者の方が書いた本に出てくるような波乱万丈起業ストーリーが我々にも待ち受けていたわけだ。

それでもありがたいことにいただくオーダーは年々増えて、支えられ、喜んでいただくことができ、ご紹介も増えて、そしてなんと表参道サロン移転6周年なのだった。

さて、移転したあの日から継続していることがある。

・早く来て掃除をする

当たり前だと思っていたのだけど、これまで1人だけ、入社して1日働いた翌日に、
「勤務時間前に掃除をするなどおかしいのではないか!?」と言って、2日目の朝に辞めていかれた方がいたけど・・・。
そんな時代??

全員で、しっかり掃除をして、気持ちよくスタートすることは当たり前だけど、これからも継続していこうと思う。

・毎朝ミッションを唱和

必ず全員で、ミッションステートメント、ミッションなどを読む。
棒読みではなくて、洋服にどのように向き合うか、サロンはどうあるべきか、どのような姿勢でクライアントを迎えるか、など、必ず私が話して、感想を述べあう。

・ブログを書く

近頃はインスタグラムのような、文字がなくても成立するSNSも人気だし、チャットなどでは海外の方とも気軽にメッセージをやりとりできる。

昨日、クアランプールに住む友達にメッセージを打ったら、5分と待たずにメッセージが返ってきていた。とても便利だけど、なんだか近くにいてもいなくても変わらないな、会わなくてもお互いの近況が何となくわかるし。

だけど、やはり文章はお久しぶりです、から始まって、起承転結、というわけでよろしくお願いします、という方が私は落ち着く。

発信したことを後でみると、客観的になれる。

そして1行では伝えたいことが伝えられない気がしてならない。

そのようなわけで、ブログを書くことを継続している。

ボットーネ 表参道
サロンでは最近はさらに、洋服の知識を深めるために服装のすべてという本を読み、意見を述べ合うことも。
まあ色々ありましたが、これからもよろしくお願いします。

ブルネロクチネリと、ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?と

2017年4月27日 オーダースーツBOTTONE クルーの本日の気づき | 小さなアパレル会社 経営者のヒントと気づき

ブルネロクチネリ

365日、毎日の装いログ
ブルネロクチネリというブランドのニットに、生成りのケアレーベルというブランドのデニム(slack352 シルエットが秀逸!)とダークブラウンのスエード靴(ボットーネのパターンオーダーシューズ)で娘とデート。
木曜の朝はちょっとお散歩してから仕事すると捗る。
娘の靴は、ドキンちゃん。

うちはまだ5歳と2歳と子供が小さいため、日々大変だけれども少しでも一緒にいたいなぁ、と思う父。
大変といっても本当に大変なのは妻なのだが、彼女は最近私とクルーの中之丸におにぎりを作ってくれる。
感謝感謝。

今朝は早朝デニーズ。

image
飲みましたね〜5時(AM)には帰りましょ、マジで!
という雰囲気の男性3人、女性1人の4人組がいた朝4時のデニーズ。

それが6時のモーニングセット提供を境に、7時あたりから、キリッとしたビジネスマンやOL、界隈の土地を持っていそうな恰幅の良い叔父様に切り替わるのだが、この切り替わりが交流と直流、大阪と東京のような似て比なる、真逆のような違いがあって面白くて、つい早起きしてしまう定休日。

真逆といえば、
火曜、探し物があって青山ブックセンターに出かけた。

そのとき気になって表紙だけで買ったのがこの2冊だった。
考えてみればLINEという手軽に繋がってコンタクトできるツールの元代表と、携帯電話を敢えて持たないことから得られる仕事術、発想法、商品づくりというコンセプトの教授の本、なんと真逆の2冊なのだろう。

と思ってこれは交互に読むしかないな、と午前5時のデニーズでコーヒーをおかわりして、2冊交互に読むという異様な光景であった。

今日の読書は、1冊目、元LINE社長 森川亮さんのダントツにすごい人になる

これからの時代はすごい人でないと生き残っていけません。
さらに言うなら、ダントツにすごい人でなくてはならないのです。

僕が考えるダントツにすごい人とは、

1:新しい価値を生み、結果を出し続ける
2:常に成長することをやめない
3:偉い人にはならない

引用:ダントツにすごい人になる より

2冊目は、京都大学デザイン学ユニット教授 川上浩司さんの、
ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?〜不便益という発想 という長いタイトル。

「スマホですか?ガラケーですか?」
いわずもがなでしょうが、これは、あなたの携帯電話がスマホかガラケーかを問う質問です。
(中略)
ちなみに私は「携帯電話を持っていません」と答えます。
こう答えると「さぞや不便でしょう」と言われたのは1年前まで。最近では、古代人を見るかのように無言で遠い目をされます。
たしかに不便です。ただ、面白いことも多いです。

人と連絡をとることに、手間がかかり、頭を使います。外出しているときなど、公衆電話がどこにあるかを覚えておき、初めて来た場所では嗅覚を利かせて電話ボックスがありそうな場所を探る。
(中略)
ただ、逆に、私などは、「いつでも好きなときに」連絡がとれないことで、人と連絡がとれることの大切さをなんとなく感じることができています。

引用:ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?〜不便益という発想 より

教授は便利なことは溢れているけど、=豊かなのか?と述べていて、逆に不便なことで得られることをコレクションしてみる、という取り組みをしていて、これがまた面白いが、不便な昔の生活に戻ろう!という本ではなく、ツアーよりもアクセスしづらい秘湯の方が心に残り、なぜ星野リゾートの星のや京都に価値があるか?も納得できる。

ところで私はLINEをやっていない。
フェイスブックはやっているけど、メッセンジャーを入れてください、と友人からメッセージがくるが、いれていない。
名刺には携帯電話はおろか、固定電話もなく、私に電話してくる方はあまりにも電話が繋がらない&返信が遅い(ない?)ことにはすっかり慣れておられると思う。

目の前の仕事に没頭するあまり、電話に気づかないこともあるが、それより電話にばかり気をとられているのではなくて、今この場で考えている、見ている、会っている、そういう旬を大事にしたいな、という考えがあった。

LINEに登録したとき、手軽だから次々と短文メッセージが会話のように届いた。
それはとても手軽で便利なようにも思えるが、反対にお手紙は、送る方も送られる方もしっかりと内容を精査して考えて送るから、1つの内容が濃厚になって、お互いに相手目線になると思うのだ。

現代は色々なものがスマートフォンで実行できるけど、携帯電話がなかった頃の待ち合わせは、ドキドキした。

まず、表参道に20時ね!では待ち合わせで会うことができない可能性が高い。

表参道駅の、A2出口を出たところ(地上)にアップルがあるから、そこに20時。と設定しなくちゃいけない。

それに、遅れる、ごめん!が使えない。

仮に相手が5分遅れたら19時50分に到着した側は15分その人を探しながら、遅れることを知らされることなく待つわけで、だからお互い遅れられない気持ちになる。

2冊の本は真逆のようで、ダントツにすごい人になる、でも、
当たり前を疑う、無駄をたくさん経験している人が一流になれる、など、結局は繋がる部分が多い。
別々のものから色々な共通点が見えてくるものだ。

ビルゲイツの考え方は、問題は分割して考えること

2017年3月17日 ボットーネCEOのオーダースーツの着こなしブログ | Other

ハリソンズ・オブ・エジンバラ ジェームス・ダンスフォード
先日は英国からハリソンズ・オブ・エジンバラでおなじみ、リア・ブラウン&ダンスフォード社のCEO、ジェームスダンスフォード氏がサロンに来てくださり、大変勉強になった濃い時間を過ごさせていただき、誕生日にはたくさんのメッセージをいただいた。
家族に、友人に、クルーに、クライアントに、本当に皆さまに日々感謝感謝である。

ビルゲイツの、問題を切り分ける方

さて、私が問題だな、と思った時に基礎にしている考え方がある。
うちの会社でも大切にしていて、困った時に使えるので書いてみようと思う。

困難は分割する、というデカルトの考え方で、元マイクロソフト社長のビル・ゲイツ氏の前でプレゼンした日本人、マイクロソフト本社でWindows95を開発した方でもある、中島聡氏も著書 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である の中で、ビルゲイツのエピソードとともに語っている。

彼は複雑な問題をいくつかの独立した問題に分けるのがとても上手な人です。「困難は分割せよ」とはフランスの哲学者・デカルトの言葉ですが、分割術を最も実践的に行っているのはビル・ゲイツでしょう。

たとえば、こんな例で考えてみましょう。
ある日、ビル・ゲイツがカレーライスを作ろうとしたとき、なんとカレールーとニンジンがありませんでした。これではいつものカレーライスが作れません。

しかしよく考えてみてください。
ルーがないと絶対にカレーライスは作れないでしょうか?

ニンジンがないとカレーライスは作れないでしょうか?

そんなことはありません。
ルーは市販のカレー粉で代用できるし、ニンジンはなくても一応カレーライスにはなります。
つまり、ルーがないという問題と、ニンジンがないという問題は独立しています。

だからここは慌てず、「ルーをどうするか」「ニンジンをどうするか」という分割された課題に、別々に当たればいいわけです。

ビル・ゲイツはその後、カレー粉とじゃがいもを使ってカレーライスを作っておいしくいただきました。

やや抽象的な話だったので、現実にあった事件を例に挙げます。
マイクロソフトがパソコンメーカーにソフトを依頼されたとき、ある技術的な問題により、パソコンメーカーから苦情が来たことがありました。

クライアントがたいそう怒っているということで、社内は混乱していました。
とにかく、原因の技術的問題を解消しなければこの問題は収まらない。
マイクロソフトの社員はみんなそう思い込んでいました。

そんなとき、ビル・ゲイツは困難を分割しました。
技術的問題はクライアントの怒りからは独立した問題だと。

どうやらクライアントが怒っているのは技術的問題よりも、担当者との性格の不一致に原因があったようです。

そうして担当者は替えられ、クライアントをとにかくなだめる任務に就くことになりました。
他方で技術的問題はエンジニアたちが全力で解決に向かってまい進していました。

こうしてクライアントとマイクロソフトの関係は、なんとか立ち直ったのです。
技術問題と外務問題を切り分けることで、この事件は終息を迎えました。
ビル・ゲイツが「その問題とこの問題は独立している」とよく言っていたことを覚えています。
こうした課題の分割は、複雑な問題を効率的に解決するうえで重要なことだと思っています。

出展:なぜ、あなたの仕事は終わらないのか 中島聡

問題を分ければ以外とシンプルだ

結構多くのことは、ごちゃごちゃに絡み合っている場合があり、
分解して見ると結構シンプルだ。

前出のエピソードも、技術的トラブルと、クライアントの感情的な怒りは別問題と切り分けて、それぞれ的確に対応して問題が収束したということだ。

例えば、最近私たちの会社で起きた問題として、マンパワーが不足した、という事態が発生した。

経緯は、クルーの嶋田君を、修行に行く!と行ってある企業に、研修として連れて行った、私が。
本当にご好意で学ぶ機会をいただいたのだ。

その後彼は、ひたむきでまじめな姿勢もあって、休日を使って自費でプレス研修に来なさい、と声を掛けていただき、毎週頑張って通うようになる。
次第に本当にやりたかったことや求めていたことに出会ったと気づき、自分の見つけた道に進みたい、と彼はある朝言った。その後、彼から聞いたわけではないのだが、晴れてその企業へ入社した、という件がある。

経営者として、マネジャーとしては人は宝、そして育てた人財が抜けるのはハッピーラッキーな出来事ではないだろう。

これは、その過程で、その企業の代表に相談した。

しかし、この時も言われたのだが、考えてみればこれは、私たちと嶋田君との話であり、その会社は関係がないのだ。
現に気持ち良く彼を見送って、あとは彼の道である、それに対して私も頑張れ!とエールを送っている。

こうして、彼が研修として通わせていただいていた会社に入社することになって、その会社とも痼りを残さず、どのような収束パターンがあるか?と考えたときにお世話になっている企業と、うちに在籍したクルーという、関係値を分割したことで得られた答えだし、そもそもマンパワーが減ったからといってどうなる?困る・・困った、どうしよう。

マンパワーが減ったことと、知恵を絞っておもてなしをすることも別の話だ

オーダースーツ 設計書

また、次に、現実的に、お客様が気持ち良く服を仕立て、受け取れるよう、その点での気配りは忘れずに、マンパワーが足りない部分を何とかしなくてはいけない。

ここでも、気持ち良く仕立ての打ち合わせができる空間を作ることと、滞りなく商品を受け取れること、そこにサービスや気配りがある、というのはそれぞれ別問題なのだ。

だから例えば、滞りなく商品を受け取れること、という点でいえば人がいなくともできる仕組みを作ることだ。

元に私たちの企業には、大手セレクトショップにもない、オーダー管理システムがある。
結構な金額がかかったし、意見をぶつけながら作り、仕舞いには私もシステムを作るようになり、さらにその後入社した中之丸は前職の経験をもとにさらにシステムを設計できる。

簡単にいえば、
《そろそろ完成ですよ、この案件はお客様にご連絡を。それから、こちらの方は素材が揃ったのでそろそろ工房と段取りを組んでください》と自動でお知らせしてくれる、我々にとって秘書のようなシステムなのだ。

これを強化することで、マンパワーを補うことができる。

スーツの生地

人でしかできないきめ細やかなおもてなし、
もっと良い服になるように、スタイル、シルエットの提案、
お客様のために、そういう人でしかできない部分をもっと追求したい、
だからこそ自動化して、効率化できたら、あとはもっと知恵を絞って考える。

人が足りない、気配りが行き届かない、どうしよう、ではなくて、
人が少なくても暖かい、楽しめる場を考えて、気配りをする。

待ち時間を軽減するおもてなし

男性と女性が一緒に来店されたとき、
女性の方が退屈そうだ。
お話ししたい、でも、人員は足りない。
そこで、次の方へのメッセージを綴るノートを設置した。

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結構楽しんで書いてくださる。

またブライダルでご来店された男女には、
結婚準備、挙式まであと◯日!というボードを書いていただき、写真を撮る。
結構みなさん書いてくださり、スマートフォンを触る時間が楽しい思い出の時間に変わった。

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これは、人が少なくても知恵を絞ればおもてなしのアイデアは出る、ということであり、
的確な商品を受け取れるようにする、ということとは別軸なのだと思う。

心の時代に入ったと思う

2006年の著書で、ダニエルピンクのハイコンセプトのなかで、現代を見通したような6つの、これから求められるセンスが載っている。

これから求められる「6つの感性(センス)」

  • 機能だけではなく「デザイン」
  • 議論よりは「物語」
  • 個別よりも「全体の調和」
  • 論理ではなく「共感」
  • まじめだけではなく「遊び心」
  • モノよりも「生きがい」

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳) より引用

一つ一つ、人にしかできない物、文化、おもてなしを大切にして、
高い共感力や提案をする、
人口知能にはできないことをやろう。
心の時代を生きていこう。

偶然ご近所であったO様からの写真とメールが届く。

ハワイで最高の結婚式を挙げる事ができました。

タキシード本当に好評でした!
プロのカメラマンに撮って頂いた写真は2週間くらいデータ貰えないので、
アイフォンの写真をお送りします。

残り5日ほどハワイを満喫します。

今度はスーツをお願いします。

結婚式のタキシードの場合はお写真をいただくことが少なくない。
(ビジネススーツオーダーではなかなかお写真はいただかないわけだが)

こうして着用したシーンが見られると、ホッとするし、あったかくなる。
改めて楽しい仕事だと思う。

明日もまっすぐ真北へ向かおう。

オーダータキシード 新郎